【まとめ】塩分コントロールの方法

栄養学のきほん

日本人は「塩大好き国民」です。醤油やみそのような伝統調味料や、漬物のように食べ物を長期で保存するために、私たちはたくさんの塩を使ってきました。これは、海に囲まれた島国で、塩が豊富にとれるという利点を生かして育った食文化だからです。地中海地域も海に囲まれて、海洋資源が豊富な地域にあります。塩は大切なミネラル源。健康に与える影響も大きい食材です。美味しい塩は、それだけで食材の味を引き立ててくれます。今回は「塩」とその効果についてまとめていきます!

〇塩についてちょっと詳しくなろう

日本は古代から塩づくりを行ってきました。遺跡からは塩をつくるために使われた土器が見つかったり、いまでも多くの神社では、塩の神様を祀っています。「塩土老翁」は日本神話に登場する神様で、製塩の神様として信仰されています。ギリシャ神話では「海の老人」(プローテウス)と呼ばれる神様もいます。人々にとって、海はとても大切なもので、そこからとれる塩も貴重な食材でした。

塩は取れる場所、取れる手法で3種類に分けられます。

・岩塩

ちょっと高級な塊の塩、皆さんも1度は見たことがあるのではないでしょうか。かつて海だった土地が上昇して、陸地に取り残された海水の湖が蒸発することで出来る塩です。白だけではなく、桃白色、紅色、黄色など様々な色をして種類も豊富です。岩塩がカラフルになるのは、塩になる過程で硫黄やミネラルも一緒に混ざり合って固まってしまうから。

ポーランドの王立岩塩採掘場「ヴィエリチカ岩塩坑」は世界遺産にもなっています。

・天日塩

海水を塩田という広い土地にまいて、太陽の熱で蒸発させた塩です。広い土地があって、乾燥している地域で行われる製塩方法です。メキシコやオーストラリアが代表的な生産国。日本は雨が多く向かない方法です。

・せんごう塩

日本で作っている塩は全て、せんごう塩です。海水を火にかけて、水分を飛ばす方法です。こうすることによって、不純物が少なく、白いサラサラのきれいな塩が出来ます。

〇塩とからだの関係

1日の食塩摂取量は、「6g程度」が望ましいといわれています。世界の基準ではそれよりも低い「5g未満」を、世界保健機関(WHO)が推奨しています。というのは、塩分の取り過ぎは、病気のリスクを上げると考えられているからです。塩分が関係する有名な病気は「高血圧」があります。塩分(ナトリウム)は水分を引き付ける力が強い成分です。血管の中に、塩分(ナトリウム)が増えると、血液(水分)の量も増えます。大量の血液を押し出すために、心臓はフル稼働します。末端の細い血管は勢いよく流れる、大量の血液から圧力を受けます。

血圧は、次の式で求められます。

血圧=心拍出量(心臓から押し出した血液の量)×末梢血管抵抗(末端の細い血管が受ける圧力)

塩分(ナトリウム)を取るほどに、血圧を上げる要因も上がるため、血圧が高くなります。

高血圧は放っておくと、心臓や血管、脳卒中のような大きな病気を引き起こします。すぐには症状が現れなかったとしても、放置せずに今すぐ対策をとるのが良いでしょう。

〇正しい塩分との付き合い方

「塩分が多いのが問題になるのは分かったけれど…どうしたら良いの?」

というあなたに、塩分のコントロール方法をまとめてみたので、参考にしてくださいね!

①カリウムを取りましょう!(腎臓病の無い方)

カリウムは野菜に豊富に含まれるミネラルです。私たちの体の中では、カリウムとナトリウム(塩分)は対になって働きます。カリウムは尿中にナトリウム(塩分)の排出を促します。

日本人が1日にとるべき野菜の量は、350g(両手山盛り1杯:生野菜の場合)です。カリウムは水に溶けやすいので、野菜スープなど水分に溶けだしたカリウムもとれる料理がオススメです。

②塩分の目安の範囲で料理を作ってみよう!

目標は1食あたり2g程度です。とはいっても、最初はなかなか難しいです。塩分は多くの加工品に含まれていて、日本食は塩味をベースに作られています。お惣菜は冷めても美味しいと感じるように、少し濃いめに味付けています。

ここでは、自炊をするときの目安をまとめています。

【塩分バランスの目安】

主食:炭水化物 0g

主菜:肉・魚 1.0g

副菜:小鉢(味の濃いものは量を少なめに) 0.6g

汁物:スープ 0.8~1.0g

みなさんのお家に、計量スプーンはありますか?

塩分をカウントするときには、0.8g計量スプーンがオススメです。

塩分は1杯0.8gで、3杯までが目安になります。

【塩分を含む調味料の目安】

調味料
醤油:小さじ1杯1g
みそ:大さじ1/2杯1g
オイスターソース:大さじ1/2杯1g
有塩バター:大さじ2杯0.5g
コチュジャン:小さじ2杯0.5g
豆板醤:小さじ1杯1.0g

人の血液塩分濃度は、0.9%とされていて、おおよそ太古の海水と同じくらいといわれています。(今は海水濃度が上がってしまって、それよりも濃度が濃いらしいです)

そして、私たちは0.8%の塩分を一番美味しいと感じるのだそう。

とはいっても、濃い味になれてしまっている私たちは、最初は薄く感じてしまうかもしれません。しかし、味覚は薄い味にも、濃い味にも慣れていくもの。毎日少しずつ塩分調整をしていくことで、適量塩分の食事も美味しく感じるようになります。

③旨味を組み合わせる

5つの味覚のうち、旨味×塩味はとても相性がよいコンビです。

色んな食材からとった出汁、スープストックを組み合わせて、塩分に頼らずに味付けをしてみましょう!

魚介類出汁:昆布、カツオ節、貝類

肉系出汁:鶏ガラ、とんこつ

野菜だし:にんじん、玉ねぎ、セロリ、しょうが、にんにくなど

〇まとめ

塩分について、ちょっと興味を持っていただけだでしょうか?!

意外と見落とされがちな塩分も、適度適量にコントロールしていくことが大切です。

最後にスペインに行かれる方に、美味しくご飯を食べるためのコツをご紹介したいと思います。

オーダーをするときには「塩少な目で!」と一言付け加えてみてください。魚介類の豊富な海に囲まれたスペインも、実は塩分が濃いめなんです。日本観光客にとっては、少し濃いかもと感じることも…。一言付け加えるだけで、とっても美味しい料理が食べれるので、ぜひやってみてくださいね!

【参考資料】(最終閲覧日:2020年8月13日)

・日本人の食事摂取基準(2020年版)定検討会報告書

・World Health Organization Salt reduction/ https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/salt-reduction

・一般社団法人 日本塩工業会 / http://www.sio.or.jp/index.html

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