ストレス対策できてますか??:ストレスの仕組みと栄養ケア

栄養学のきほん

みなさん、最近ストレスを感じたことってありますか?

厚生労働省が行った調査によると、12歳以上の日本人の50%近くが日々ストレスを抱えているようです。2人に1人がストレスを抱えてる考えると、とても大きな問題ですよね。

ところで、ストレスを感じると私たちの体になにが起きるのでしょう?

食べ物でストレスを軽減する方法はないのでしょうか??

今回はストレスと栄養ケアについてまとめてみました。

〇ストレスとは

私たちは毎日、いろんな種類のストレスにさらされています。精神的なものから、身体的なもの、経済的なものまで…ストレスのない人生なんて考えられないくらいです。

・精神的ストレス:人間関係、仕事のプレッシャーなど

・社会的ストレス:経済的な問題、生活環境

・肉体的ストレス:病気・体調不良、過労など

・化学的ストレス:タバコ、アルコール、化学製品アレルギー物質

・物理的ストレス:気候、騒音など

また、知らず知らずのうちにストレスをためていることってありますよね。自覚がなくても、こんな症状があれば要注意です!

・心の反応:イライラ、不安、恐怖、落ち込み、無気力、疎外感など。安心感が得られず、常に緊張して情緒不安定になります。

・行動の変化:ケンカや攻撃的な行動をとることがあります。また泣く、引きこもり、孤独、拒食・過食、幼児返りなどの行動も現れることがあります。

・体の反応:動悸、体が火照ってきたり、頭痛、腹痛、疲労感、嘔吐、めまいなど全身に反応が現れます。原因不明の体調不良が続いたら、ストレスが掛かり過ぎてしまっているのかもしれません。

〇ストレスを対処する体のしくみ

たくさんのストレスに対して、私たちの体は柔軟に対応する仕組みを持っています。

その1つが「恒常性(ホメオスタシス)機能」と呼ばれるものです。

ストレスによって体がダメージ(有害な刺激)を受けた時に、すぐさまいつもの(普段通りの)状態に戻ろうとする仕組みです。心でも、体でも、私たちの体はストレスを受けた直後は抵抗力が弱くなります。この段階をショック相と呼びます。

そのままでは私たちの体が危険なので、ストレスから立ち直ろうとします。たとえば天敵から狙われるウサギをイメージしてみましょう。天敵からの最初の攻撃にひるんだままでいたら、食べられてしまうかもしれません。自分の命を守るために、戦うか全力で逃げないといけませんよね。

私たちのからだも似たような反応をします。アドレナリンを出して交感神経を活発にし、心拍数を上げて、ストレスに立ち向かいます。血圧と血糖値を高めて、エネルギーをたくさん作れる状態にするのです。これを反ショック相と呼びます。

反ショック相で抵抗力を高めた状態は、ストレスが落ち着くまで続きます。ストレスが長く続くと体は疲れ切って、抵抗力を少しずつ失って疲弊していきます。ストレスを感じた後に疲れ切ってしまうのは、体がストレスと戦うためにエネルギーを使い果たしてしまうからです。

天敵が病気のウイルスであったり、苦手な上司であったり、不快な環境であったり…どんなストレスであれ、基本的には同じような反応をして、私たちは体を守ろうとするのです。

ストレスによってエネルギーをたくさん使う状態が続くと、「活性酸素」によって細胞や遺伝子が傷つけられてしまうかもしれません。

私たちは食事からとった栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)と酸素を組み合わせることでエネルギーを作っています。しかし、呼吸によってとりいれられた酸素の一部は「活性酸素」になって体を傷つけてしまいます。具体的にいうと、細胞を酸化することで正常な機能を失わせてしまうのです。油が酸化すると、嫌な臭いがしたり、変な味になりますよね…。酸素は必ずしも良い効果だけではないのです。

ストレスによってたくさんのエネルギーが必要になり、エネルギーを使うためにたくさんの酸素を吸収して…その結果、「活性酸素」を多く作り出してしまう可能性があるのです。

〇ストレスの対処法①【食事に注意する】

ストレスを感じている時は「出来るだけ普段の食事を変えない」ようにしてください!

ストレスの発散法の1つとして「やけ食い」があります。満たされない・不安定な精神状態を安定させるために、たくさん食べて満足感を得る方法です。お腹いっぱいになると満腹中枢が刺激されて「なんか満たされる」感覚が得られたり、抗不安作用が働いてストレスをごまかすことが出来ます。しかし、普通の食事ではとらないような大量の食べ物が体に入ってくると、消化に関わる臓器が働きすぎで疲れ果ててしまいます。必要以上の栄養素が体にたまっていくことで肥満になったり、生活習慣病のリスクもあがります。

ストレス状態が長く続くと、私たちの脳は「生存のためにたくさんエネルギーをためる」ように指令を出します。しかし、実際のところ体を動かして戦うわけではないので、エネルギーを蓄える必要なんてないのです。使われることのない備蓄エネルギーは、脂肪として蓄えられます。ストレスによって太ってしまう人がいるのは、このような理由のためです。

また、ストレスは食欲不振を引き起こすこともあります。ストレスを感じている時、私たちの体はストレスと戦うために交感神経を働かせて、つねに戦闘モードになっています。一方、リラックスをしているときに働く神経を、副交感神経といいます。副交感神経は食べ物の消化・吸収のため、胃や腸を働かせる効果もあります。この2つの神経は、一方が働いているともう一方は働きが悪くなります。ストレスのために24時間、いつでも交感神経が働いていると、食べ物の消化・吸収が進まなくなります。その結果、食欲がなくなってしまうことがあるのです。

ストレスによって食欲がなくなったり、またやけ食いによって太った体形を戻すために「異常な痩せ願望」が生まれると、無理なダイエットをはじめてしまう人がいます。痩せれば痩せるほど、その体重の減少に喜びを感じるようになり「神経性食欲不振症」を引き起こしてしまうこともあります。

食べれない時でも、消化に良さそうなものを少しでいいから食べてみる。

やけ食いをしてしまいそうなときは、他にストレス発散できる場所を見つけるなど。

過食・少食を出来るだけ抑えて、いつも通りの食事が出来るように、少し気をつけてみてください。

〇ストレスの対処法②【ストレス回復に必要な栄養素を補う】

ストレスを感じているときは、ストレスによって失われた栄養素を補給するようにしましょう!

まずは、たんぱく質をしっかりとりましょう。エネルギーが必要な時、私たちの体は血液中の糖、体脂肪を分解してエネルギーを作っています。それにプラスして、たんぱく質を作り替えてエネルギー産生に必要な材料にします。これを専門用語で「糖新生」と呼びます。ストレスがたくさんかかると、たんぱく質も減ってしまっているので補う必要があります。

さらに、エネルギー作りにかかわるビタミンも補給します。エネルギー産生の過程で必要になる「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ナイアシン」「パントテン酸」やたくさんの酵素を働かせるのに必要な「ビタミンB6」をとるようにしましょう。

体内のストレス「活性酸素」の影響を抑えるために、抗酸化作用のあるビタミンを取るのも有効です。「ビタミンC」「ビタミンE」は抗酸化作用をもつビタミンとして有名です。

〇まとめ

ストレスは誰もが抱える、大きな悩みですよね。今回はそんなストレスと体の仕組み、ストレス回復のための食事法をまとめてみました。色々と紹介してきましたが、なによりも大事なことは…

「ストレスを溜めない」

「ストレスを避ける」

健康な体と心で、毎日の食事が楽しめるような生活を送りたいものですよね。ここでの知識が皆さんのお役に立てると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

【参考資料】(最終閲覧日:2020年7月2日)

・しっかり学べる!栄養学/川端輝江/ナツメ出版/2012年11月1日

・平成22年国民生活基礎調査/悩みやストレスの状況

平成22年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
平成22年国民生活基礎調査の概況について紹介しています。

・在外教育施設安全対策資料第2章心のケア各論/文部科学省https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/003.htm

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