【初心者のための栄養学:ビタミンB12】

栄養学のきほん

地中海の万能調味料といえば、アンチョビです。ピザ、パスタ、野菜など、ヨーロッパや南アフリカで色んな料理に使われています。アンチョビはカタクチイワシを塩・オイル漬けにしたものです。塩・オイル漬けにすることで、細菌が増えて、食材が傷むのを防いでいます。アンチョビはこの地域の大切な保存料でした。

アンチョビに豊富な栄養素といえば、【ビタミンB12】です。

*レシピは一番下にあります。

〇ビタミンB12ってなに?

ビタミンB12はコバルトという金属を含んだビタミンです。アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、スルフィトコバラミン、ヒドロキシコバラミン、シアノコバラミンをまとめたものです。体の中では赤血球や神経の働きを正常に保つために必要です。

〇ビタミンB12の効果① 【赤血球の正常な発育を助ける】

私たちの体のすみずみまで酸素を運んでくれる赤血球。ビタミンB12は、赤血球を作るために欠かせません。私たちの細胞が新しく作られるとき、DNA(遺伝子情報)が古い細胞から、新しい細胞にコピーされます。ビタミンB12はDNAのコピーにかかわるビタミンです。不足すると「悪性貧血」と呼ばれる貧血を引き起こす可能性があります。

〇ビタミンB12の効果② 【神経の機能維持】

ビタミンB12は神経の正常な働きにも欠かせません。欠乏することで、「末梢神経障害」(手足のしびれなど)「脊髄障害」(体の神経からの刺激が脳に伝わらなくなる)を引き起こします。「亜急性連合性脊髄症」とも呼ばれています。

手足のしびれ、震え、感覚がなくなったりめまいなどの症状が出ることがあります。そのほかにも、脳の障害(記憶障害、うつ症状)も現れることがあり、注意が必要です。

〇ビタミンB12の効果③ 【舌の健康維持】

ビタミンB12は味覚にも影響します。欠乏することで、舌が炎症によってピリピリと痛くなります。また、口の粘膜の萎縮がおきたり、舌乳頭の消失がおきたりします。舌乳頭には味覚を感じる未来が集中しているので、味覚の異常が発生することもあります。

〇注意する事

ビタミンB12は体の中で再利用できるビタミンです。使用されたビタミンB12は腸で吸収されて、肝臓に戻り再利用されます。そういうわけで、どれくらい食事からとればいいのか必要量がはっきりわかりません。

しかし、胃提出手術をした人は注意が必要です。ビタミンB12は胃酸と混ぜ合わさることで体に吸収されやすい形になります。胃の摘出によって胃酸が減ると、ビタミンB12が吸収しづらくなり、悪性貧血がおきる可能性があります。

また、ベジタリアン、ヴィーガンも注意が必要です。ビタミンB12は動物性の食品に多く含まれていて、野菜には少ない傾向があります。普段の食事が野菜中心で、肉類をとる習慣がない場合には、サプリメントなどで栄養素を補給する必要があります。

〇摂取量(推奨量)

食事から吸収されたビタミンB12のうち、体に吸収されるのは50%くらいと考えられています。欠乏によっておこる悪性貧血の治療を参考に、基準が決められました。また、私たちの体はビタミンB12を吸収できる上限があり、1回の食事あたり2.0μg程度と考えられています。

【1日の推奨量】

成人:2.4μg

〇食材で言うと…

ビタミンB12は動物性の食材に多く含まれています。肉類ならレバー、魚介類に含まれています。

・オイルサーディン(イワシの油漬)(30g/1片):6μg

・牛レバー(50g/切身3枚):26μg

【簡単に出来る!アンチョビとブロッコリーのパスタ】

【材料】(1人分:〇kcal)

・スパゲッティ 70g

・ニンニク 1片

・オリーブオイル 大さじ1

・アンチョビ 2枚

・ブロッコリー7房(一口大)

・ミックスナッツ適量

1, ニンニクは薄くスライス。アンチョビの骨が気になる人は、ミンチにしておきます。

2, 大きな鍋に塩をいれて、沸騰させてパスタを茹でる。(パスタは1分ほど短めに茹でる)

3, ナッツをフライパンで軽く炒って香ばしい香りをつける

4,パスタを茹でている間に、深めのフライパンにオリーブオイルを入れてニンニクとアンチョビを炒める。(油はねに注意!)

5, フライパンにブロッコリーをいれて炒める

6, 茹で上がったパスタは、水気をきっておく。

7,パスタとフライパンの具材を混ぜ合わせる。軽くなじませたら、お皿に盛りつける。

8, ナッツをトッピングして完成。

【参考文献】(最終閲覧日:2020年5月30日)

・日本人の食事摂取基準(2020年版)定検討会報告書

・ビタミンB12欠乏性神経障害/臨床神経生理学45巻6号2017/畑中裕己/

  • Plummer-Vison 症候群の2例目/日本口腔外科学会雑誌Vol.24 No.2/Apr.1978

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