【栄養学×チーズ】チーズって健康にいいの?

ヨーロッパで有名な食材の1つ「チーズ」

酪農に適した風土を活かした保存食材です。

チーズは「栄養密度が高い食材」とも言われています。牛乳の水分をぬいて、たんぱく質、ミネラル、ビタミンを濃縮した食材だからです。

今、健康の観点から注目を集めている「発酵食品」。チーズはその1つでもあります。今回は「チーズ×栄養」情報をまとめていきます。

〇チーズに豊富な栄養素

・カルシウム骨や歯のもと。
・たんぱく質(BCAA)筋肉の疲労回復効果に期待
・ビタミンA目や肌の健康に必要なビタミン
・ビタミンB12新しい細胞を作るために必要。舌、神経の機能を保つ。 不足すると貧血になることも…

〇チーズの健康効果

1、腸にやさしい

チーズなどの発酵食品は、牛乳と比べて乳糖が少ないです。また、発酵にかかわる菌がお腹の中で良い働きをすると考えられています。

牛乳を飲むと「お腹がゴロゴロしちゃう人」っていますよね。牛乳でお腹を壊す症状を「乳糖不耐症」といいます。これは、牛乳に含まれる糖分:乳糖によるものです。乳糖は小腸で酵素によって分解されて、体に吸収されます。「乳糖不耐症」の人は、乳糖分解酵素がちゃんと働いていません。分解されなかった乳糖は小腸から大腸に送られます。乳糖は水分と結びつきやすいので、大腸の中に大量の水をもたらします。その結果「便が水っぽくなる=下痢」が起きます。

チーズのような発酵食品は、発酵に必要な菌が乳糖を使ってしまいます。基本的に発酵は食材に含まれる糖を菌が分解しています。チーズは発酵によって、乳糖が分解されているので、牛乳と比べると「お腹のゴロゴロしちゃう人」も食べやすくなります。

「牛乳の発酵食品は他にもあるよね。ヨーグルトはどうなんだろう?」と思う人もいると思います。ヨーグルトも牛乳の発酵食品で、乳糖が少ないと思ってしまいますが…

ヨーグルトは製造の過程で脱脂粉乳など、乳糖をプラスしています。その結果、発酵はするものの牛乳と同じくらいの乳糖が含まれているのです。

食材名乳糖量(食品100gあたりの乳糖g)
牛乳4.4-4.5
ヨーグルト3.5-4.1
ゴーダチーズ0-2.2
チェダーチーズ0-2.1
カマンベールチーズ0-1.8
モッツァレラチーズ0-3.1
リコッタチーズ0.2-5.1

また、発酵に関わる菌が腸に良い効果をもたらすと考えられています。生きたまま腸に届く乳酸菌は、腸内で良い細菌として働きます。これを専門的な言葉で、「プロバイオティックス」といいます。チーズにはこの効果も期待されています。

2、チーズと高血圧の関係

チーズは保存食でもあります。保存食には「塩分」が欠かせません。カビや悪い菌が繁殖しないように、塩をいれることで菌が繁殖するのに必要な水分を減らすことができるからです。

しかし…「塩分の取り過ぎは良くない」っていわれますよね。「塩分」を取り過ぎることで、血圧が上がってしまうからです。

1日の塩分量は6.0g以下が目標です。30g程度のチーズ(6Pチーズ1個半)の塩分は0.5g程度になります。適量を心がければ、問題ないでしょう。

また、乳製品のなかに含まれるたんぱく質が分解されたもの:ラクトポリペプチドは、血圧上昇に関わる酵素(アンギオテンシン変換酵素)の働きを阻害するといわれています。ラクトペプチドは熟成タイプのチーズに多く含まれていて、フレッシュタイプには少ないです。

適度な量だったら、血圧の心配をせずにチーズを楽しめます。

食材名塩分量
プロセスチーズ18g(ピザトースト用1枚)0.5g
カマンベールチーズ、ゴーダチーズ、
チェダーチーズ、エダムチーズ
0.6g
カッテージチーズ0.3g
クリームチーズ0.2g

3、血糖値の急上昇を抑える

急に血糖値が上がるのは、体に悪いといわれていますよね。血糖値が上がりにくい食品を「低GI食品」といいますが、チーズもその仲間です。

〇「低GI食品」とは?

GI:Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略語です。これは、食後血糖値の上昇の程度を示す指標のです。食品の中には、血糖値を上げやすいものと、上げにくいものがあります。GI値は食品ごとに決められていて、GI値が低い食品は血糖値の上昇を穏やかにします。

低GI値食材 
肉類葉物野菜
乳製品(ヨーグルト、チーズ)
魚介類 

4、カルシウムの供給源

乳製品といえばカルシウムが豊富です。私たちの骨は毎日、古いものを壊しては新しいものをつくっています。骨はコラーゲンとカルシウムを中心に出来ているので、カルシウム補給は欠かせません。

また、カルシウムを取ることで歯の健康にも良い効果があるといわれています。WHOレポートでは、牛乳なキシリトールと同じくらい、虫歯を防ぐ効果があるといわれています。口の中に住む菌は、酸性の物質を出すと言われています。口の中が酸性になると歯が溶け出し、これが虫歯を引き起こすと言われています。

チーズに含まれるリン酸カルシウムは、口の中が酸性になると唾液に溶けだして、口の中が酸性になるのを防ぎます。そのため、チーズは虫歯予防の効果もあると期待されています。

5、筋肉に必要なたんぱく質源

運動とたんぱく質は組み合わせがいいといわれます。運動によって壊れた筋肉を、たんぱく質で修復するためです。たんぱく質には様々種類がありますが、BCAA(分岐鎖アミノ酸)を含むものは、筋肉の疲労回復に効果が期待されています。

乳たんぱく質にはBCAAが多く含まれています。

食材名(100gあたり)BCAA合計
チェダーチーズ5.7g
プロセスチーズ5.1g
豆乳0.68g
サーロイン(赤身)2.35g

〇まとめ

チーズは美味しいだけではなく、健康にも良い効果をもたらす食材として期待されています。毎日の食事の中で楽しく・美味しく、チーズを食べていきたいですね。

【参考資料】(最終閲覧日:2020年6月6日)

・チーズを科学する/NPO法人チーズプロフェッショナル協会/2016年11月11日

・日本人の食事摂取基準(2020年版)定検討会報告書

・スポーツにおけるアミノ酸の使用法とその効果/鈴木 良雄/57巻 2 号(2011)

・WHO Technical Report Series, No. 916/

https://www.who.int/dietphysicalactivity/publications/trs916/en/gsfao_dental.pdf

・Enamel Softening With Coca-Cola and Rehardening With Milk or Saliva/ Gedalia , A Dakuar, L Shapira, I Lewinstein, J Goultschin, E Rahamim/1991 Jun;4(3):120-2/

・International table of glycemic index and glycemic load values: 2002/ Kaye Foster-Powell, Susanna HA Holt, and Janette C Brand-Miller

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